地域からのケアラー支援

 朝の定例宣伝を終えて栗山町へ。市町村で全国初となるケアラー支援条例が制定され、先駆的な取り組みを町や社会福祉協議会から学びたいと足を運びました。佐々木学町長はじめ職員さんが応対していただき、佐藤功町議・重山雅世前町議が同行してくださいました。

 「10年にわたる集大成」。佐々木町長らから聞いた、この一言がすべてを象徴しています。2010年と2015年に町社協が進めた実態調査で、町内全世帯のうち2010年は15%、2015年には19%が介護世帯だとわかりました。介護者を支えるケアラー(無償介護者)が当然いて、しかも約6割が体調不良を訴えていたのです。

 調査のなかから「食事をする時間もない」「つい叩いてしまった」など、切迫した状況も見えてきました。それまでもケアラーが交流できる「ケアラーズカフェ Cafe サンタの笑顔(ほほえみ)」などつくられてきましたが、「福祉の町として施策を進めて本町で、恒久的に支援策が進むようにと条例に踏み出しました」と佐々木町長。ご自身の選挙公約でもあったと言います。

 社協職員による強い問題意識とともに、実際にケアラーを支える「スマイルサポーター」(専門支援員)お2人が自身の介護経験をもとに精力的な活動をしてきたことも特筆されることと感じました。相談や情報提供の窓口として定期的に事務所にいるだけでなく、出張相談・電話訪問など積極的に取り組み、啓発と情報発信のために高校での講演なども。スマイルサポーターが窓口になり、行政や介護事業所へもつながっています。

 国による地域包括ケアと重なる部分について聞くと、「地域包括ケアの理想はあっても、地域がついていけてなかったと思います。小さな町ではボランティアや地縁関係、都市部ではNPOなどの力で支え合っているなか、社協として在宅支援などにどう関わっていくかを考えていました」と本田徹事務局長さん。その時の切り口の1つがケアラーの存在だったようです。

 いま働く世代もケアされる時代がやってくる一方で、人口減少は続いています。本田さんは「将来的には通信を使った支援も必要になるでしょうし、そのためのインフラも整備しなければ」とその時も見据え、だからこそ恒久的な支援策ができる条例の意義も明確にされました。このような社会保障分野に本来は国が責任を負えば、意欲的に向き合う若い世代も増えてくると思うのです。しっかり国政にも反映していきたい。

 栗山町から由仁町、南幌町、夕張市とまわるなかでは街頭宣伝と「集い」にも取り組みました。栗山町の商店街では店から出てくる方、工事の手を休めて聞く方、車を止めて最後まで聞く方など相次ぎ、私の訴えにも力が入ります。夕張市では雨に見舞われましたが、どこでも党員・後援会員さんが駆けつけてくださって激励をいただきました。

 南幌町の「集い」では「本当に政権交代はできるの」「子どものことを考えたら五輪見学なんてとんでもない」「社会の仕組みをわかりやすく知らせていってほしい」など、次から次へと質問や不満、要請が出されました。矛盾が広がっているからこそ、こういう語り合う場が大事なんだと足を運ぶたびに実感します。いつも時間が足りなくなるくらい話が止まりません。

 所用のため由仁・大竹登町議は来られなかったのですが、南幌・熊木恵子町議、夕張・熊谷桂子市議が同行してくださいました。宣伝カーの運転には前美唄市議の吉岡文子さんも。各地で支えてもらっていることが、本当にありがたいです。

 【今日の句】支え合い 自治と福祉が 重なって

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畠山和也
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