医療機関の経営がひっ迫

名古屋市における新型コロナウイルス感染症対策を最前線で支えているのが、帰国者・接触者外来を実施している市内14か所の医療機関であり、感染症患者の入院を受け入れていただいている市内17か所の医療機関だ。これら医療機関は公立・公的な医療機関のほか、民間の医療機関も多く参加し、この地域の感染症対策に取り組んでいただいている。

しかし...

民間医療機関の多くは、医師・看護士・コメディカルの感染予防対策に加え、医療従事者や医療物資の確保等の負担が重くのしかかっている。また、新型コロナウイルス感染症を受け入れているとの風評から、外来患者数が激減し、経営のひっ迫に拍車をかけている。医療機関に聞き取りをおこなったところ、私たちの調査では各医療機関は数億円~10億円程度資金が不足していることが明らかとなっている。

また、感染症に携わる医療従事者の疲弊は激しく、さらに病院の経営難からボーナスも大幅に減らされる医療機関も少なくないことから、モチベーションの維持すら難しい状態となっている。一般社団法人日本病院会など3団体による病院経営状況緊急調査の結果によれば、感染症の入院を受け入れた病院の令和2年4月の利益率はマイナス10.8%となっており、経営状況の悪化は深刻な状態となっている。

さて、名古屋市会本会議で「医療機関の経営のひっ迫」を取り上げたのは、松井よしのり市議(自民:守山区)。新型コロナウイルス感染症対策を今後も強力に進めていくためには、医療提供体制のさらなる充実が必要であり、そのためにもコロナ患者を受け入れている経営がひっ迫する病院の支援が必要だと指摘した。

これに対し、新型コロナウイルス感染症対策並びに医療機関の支援を所管する名古屋市健康福祉局長は、「感染症対策にコストがかかる、予定していた手術を遅らせる、一般の患者さんが感染を恐れ受信を控えるなどにより、多くの医療機関において厳しい経営状況にある。」と指摘。その上で、以下の支援を実施しているとした。

■ 名古屋市の医療機関への支援
・医療機関への応援金
・医療体制運営費助成の増額
・医療従事者応援金
・設備整備補助
・融資制度の拡充
・診療報酬の増額
・感染症対応従事者慰労金

しかし、上記の支援だけでは抜本的な医療機関の経営支援につながっていないのが現実。

そこで、名古屋市健康福祉局長は、「医療機関の支援のためには医療機関の経営状況、医療従事者の現状、医療資材の確保状況などとともに、第二波に向けてどのような支援が必要なのかをしっかり把握す必要がある。市内医療機関に対するアンケート調査を実施し、現状をしっかり把握したうえで、医療機関に対する支援を迅速にかつ適切に対応する。」ことを表明した。

いずれにしても、秋にも始まるとうわさされる第2波に備え、この地域の医療機関の経営の立て直しが急務。私たち議会も引き続き医療機関の方々の声に耳を傾け、新型コロナウイルス感染症対策に取り組む医療機関の支援をおこなっていきたい。


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横井利明
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